ブログ

TikTokを軽く分析してみた

こういうサービスがあったらいいなと思うものを妄想してみる。
出来るだけコミュニティが出来そうなコンテンツが望ましい。
流行っているサービスはユーザーが「参加したくなる」仕掛けがうまい。これは本当にうまくてこれが成功したら最初のフェーズは広告なしでユーザーが集まってくるんじゃないかな。TikTokはこれがうますぎて8月くらいから研究している。寝る前は必ずチェックする。もちろんこういったサービスはUI/UXもしっかりというか今までにないようなUXを提供している。そして飽きない。
日本人の発想では上下のページングのUXはまず出てこない。

TikTokが他のアプリと差別化しているポイント

  • 上下のスワイピングによるページング機能
  • これまでになかった縦向き動画のデフォルト化
  • ギリギリ飽きない/何度も見てしまうショートムービー
  • 敷居の低いユーザー投稿動画
  • 裏ではSNSのようにユーザーをフォローしてそのユーザーのコンテンツを視聴可能
  • サイドメニュー・フッターの概念が存在しない
  • 戻るボタンがあるけれどもヘッダーみたいなUIも存在しない

他にも沢山知らざれざる隠れたUXが存在するかもしれないがざっと触ってみて思ったことを箇条書きしてみた。
インストールして一番最初は「これどう使えばいいの?」状態だったが3番目の「ギリギリ飽きないショートムービー」の無限ループによって魅了されて動画を見続けてしまう。(女の子が可愛いこともあるけど。)
見続けてしまうために他にどんなコンテンツがあるのだろうと「指が勝手に動いてしまう」。
この「指が勝手に動いてしまう」ことほどしてやられた感がないがこの体験はアプリエンジニアとしては参考になる。
というのもアプリエンジニアというかビジネス側としてはアプリをダウンロードされたら、いかにしてそのままユーザーに使って頂けるかに全神経を注入するからだ。ユーザーの30%はアプリをインストールしてすぐにアンインストールするかアプリを使わない。残りの70%は「頑張って頂いて」アプリの使い方を学んでもらいながら消費するがそのうち40%は3ヶ月もすればアプリを開かなくなる。残りの30%ぐらいがコアユーザーになるぐらいがちょうどいい数字である。

僕ももう30代なので新しいアプリを触るのが億劫になる年代である。
だから、友人がオススメする「使いやすいアプリ」も全然馴染め無くなったりする。
大体はオススメされるアプリの30%ぐらいが本当にいいアプリで生活習慣に組み込まれる感じである。
そんな僕でさえTikTokはアプリをインストールしたその日の内からヘビーユーザーになってしまったのである。
(女の子が可愛いからでもあるけど。)

上下のスワイピングによるページング機能


これはおそらくリリース当初は賭けに近かったかと思うが上下のスワイピングによるページングはこれまでのアプリには存在していなかったように思う。今みたいに流行ることがなければ「やっぱりページングは横スクロールがデフォだよね」とアプリ業界での横スクロールの神格化が進んでしまったはずである。
ただこれはニュース系みたいにテキストベースのコンテンツだと相性が悪そう。
そういう意味ではラジオのアプリであるVoicyなどは相性が良さそうである。

これまでになかった縦向き動画のデフォルト化


YouTubeやhulu、ネットフリックスなどがそうであるが動画アプリでの動画の向きは「横向き」がデフォルトであった。これは大抵のユーザーはサムネイル画像が横向きが多いから、と予想してそうである。だが、なぜ動画コンテンツが縦なのかというと動画のサイズのアスペクト比が業界的に決まってしまっているからに他ならない。アスペクト比の細かい仕様は忘れてしまったが動画を再生する場合のサイズ比が決まっているからである。そのため、それを無理やり縦向きの動画にリサイズすることだってできるがそれで再生すると左右で若干の余白ができてしまう。これはちょっと格好悪い。それを回避するために横向き動画のUIになってしまった。

しかし、TikTokの場合はユーザーがショートムービーとしてアプリに投稿するために縦・横の縛りがない。

寧ろ縦向きしかない。

そのため、ユーザーは自撮りをするかのようにスマホを縦にして動画を撮影するのである。
感覚的には自撮りをムービーにしたようなものかも。
なので、ROM専のユーザーにとってはこれが新鮮に映り暫くアプリを開いてしまう。
(可愛い女の子が多いので)

いかにユーザーに飽きさせないかがキーポイント

と有名な人も含めいろんな人が言い続けているけど、それを忠実に再現しているアプリは本当に少ない。
じゃあ、お前ならどうやってユーザーに飽きさせないようにするんだよ、と頭を抱え込むディレクターが多い。
それに「いかにユーザーに飽きさせないアプリを作るかが重要だ」といっているディレクターほどユーザーに飽きさせる機能やUXを提案してしまう。ただし、これはディレクターやプロデューサーだけでない。

エンジニアも同じ悩みを抱えていて開発を進めていっても、技術をいくら学ぼうがこの「ユーザーを飽きさせないUX」というのが思いつくことが出来ないのである。
いくらWeb業界でこれからはVue.jsだとか、いやいやReact.jsだろとフレームワークをディスっても真新しいUXを実装することが出来ないのである。

そういう意味でも僕はこのTikTokが最高のUXの参考書として最高クラスの「学びの書」となっている。
(それに女の子も最高クラスに可愛い)

ABOUT ME
tamappe
都内で働くiOSアプリエンジニアのTamappeです。 当ブログではモバイルアプリの開発手法について紹介しています。メインはiOS、サブでFlutter, Android も対応できます。 執筆・講演のご相談は tamapppe@gmail.com までお問い合わせください。